<春の夕暮>
湯あがりのほのかな心地で
この窓に倚つて
しづかにくれてゆく春のゆうぐれのたのしんでゐると
向ふの山がしだいに白くけむつて
いつの間にか庭の小徑がしつとりと濡れてゐる
あゝ 霧のやうにしめやかな春雨が
音もたてずに降つてゐたのか
ほのくらい夕明りのなかで
この窓のべに咲く薔薇の花がかすかにゆれてゐる——《その日暮しの中から》上忠司
不專業翻譯:
春日的黃昏泡澡後帶著淡淡的好心情
倚在窗邊
享受著嫻靜而來的晚春
緩慢被染白的山的那頭
不知何時,園裡的小徑已徹底被沾溼
啊, 飄渺的春雨如霧
潤物無聲
暮色殘照
那朵在窗邊的薔薇微弱地、微微的晃動